メロンって歩くの? -1-
ある日のこと、いつものように走って帰ってきた小学生の息子のカズヤ。
「ママいたよ! 変なものが校庭を歩いてた! 」
と玄関を開けるなり興奮気味に言ったのです。
「へ? なに? どういうこと? メロンって果物の? 緑の?」
「そう! メロンが歩いてた! 校庭の○○から△△までを走っていてね。追いかけたら逃げていっちゃったの」
子供の頃はこういう妄想はよくあるのかな、とカズヤの話を否定せずにきいていたのですが、
メロンはさすがに歩かないでしょ💦
小さい頃は妖精やコロボックルなどのお話をよく読んでいた私。興奮して話す内容がだんだん面白くなり、こう答えました。
「ねー。それってもしかして妖精じゃない? メロンってところがかなり変だけど、もしかしたら妖精がメロンに変身していたんじゃない」
「そっかな、そうならいいな。ねーママ。どうしたら良いと思う?」
「じゃあ今度は姿を見せてくれるように、『捕まえないからおはなししよう』って言ったらどうかな」
「うん。明日、そうしてみる。いるかな、いたらいいなー」
この『メロン歩く事件』は私や子供達がこれから経験する不思議な出来事の、ほんの始まりにすぎなかったのです。