ママ! スターバッ○○のカップが!! -2-
メロン事件から数日経ったある日。私は娘のユリを連れて出かけていました。すると、カズヤから電話が、
「ママ大変! 怖い! はやく帰ってきて! 怖い」
この頃はコロナの緊急事態宣言が解除されたものの、また感染者が増えてきていた頃でした。まだ小さいユリを置いていくことはできず。外出は最少人数で、とカズヤには留守番をさせていました。
「どうしたの? おばあちゃんとビデオ電話つなげてお話していてね。ママもうすぐ帰るから」
「違うの、怖いの! スターバッ○○のカップが動いたの」
スターバッ○○のカップが動いた?
口調からカズヤの必死な様子が伝わってきます。私はカズヤから詳しく話を聞くことにしました。
「落ち着いて、ママがわかるようにもう一度話してみて。」
私達が家を出た後、カズヤは机に向かっていたそうです。すると、カズヤの後ろで、何かの気配がしたというのです。振り返ると、ストローのついたスターバッ○○のカップに足と手が生えていて、食器棚の上の方から降りたそうです。そして、中心ぐらいまで降りると、横にある電子レンジ台を通り過ぎ、さらに食料品のワゴンまで歩いたというではありませんか💦
「あのね。カズヤ、寂しいからってそんなウソはついちゃだめよ。おやつ買ってもう帰るから、待っていてね。」
私はカズヤが寂しいからこういうことを言っているのだと思い、そう言い聞かせたのです。
「ねえ。ママすぐかえる? ほんとに? 」
「美味しいもの何がいいかな、買って帰るね。」
「ほんとだよ。ママ早く帰ってきてよ。」
小学生になってもまだまだ甘えん坊だなぁなんて思いながら、私はこのことを全く気にもしなかったのです。